北米大陸とハワイにおける公認の鹿島神流支部はすべて、1990年に創設された 鹿島神流北米支部連合(The Kashima-Shinryu Federation of North America: Professor William Bodiford 支部連合長・Professor Karl Friday 副長)に 加入しており、鹿島神流武道連盟との緊密な連繋のもとに、北米文化圏 の実情に即した形で発展をしてきました。その設立に関する歴史的経緯は次の ようなものです。

1980年代に日本の諸大学、中でも筑波大学へ留学していた北米からの政府交換 留学生の十数名が、師範家 關文威 のもとで数年間におよぶ熾烈な武術修行を 積みました。そのうち数名は、帰国後にエール大学やスタンフォード大学など の大学院に進学して学内に大学サークル支部を開設し、さらに鹿島神流の修行 を継続して行きました。やがて、北米の諸大学で鹿島神流サークル活動が活発 になるのに伴って、北米全土においても鹿島神流の正統な講武体制を確立する 必要が指摘されるようになってきました。ここに、北米に点在する支部間の緊 密な連繋を維持するとともに、日本の鹿島神流武道連盟本部との関係を強化す ることを目的として、北米における全支部の講武活動を統括する組織としての 北米支部連合が設立されたのです。

北米支部連合を管理運営するために設けられた会則は、 Karl Friday with Seki Humitake 著 `` Legacies of the Sword: the Kashima-Shinryu and Samurai Martial Culture'' (Honolulu, HI: University of Hawaii Press, 1997) 付録5、182-190頁に記載されています。